ドイツもお手上げ、民営化

これは、徳島でのマオと明美の居場所である。当然ながら、フィクションだ。
地元民にしかパッとしないかもしれないが、気にせず進める。
(詳しくは、番外編をご覧下さい)

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その中に、「矢三駅(やそえき)」という架空の駅がある。
徳島の商工会もたまにはいいことを言うようで、今年の1月に(本当の話)、
「ここに駅を作れ」
と言い出した。

しかし案の定、自治体とJRは金がないと難色を示した。100%株主の独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構国鉄清算事業本部という何をやっているのかわからないこの組織もやっかいだ。
ただ、都市鉄道等利便増進法や安定化基金、まちづくりファンドや沿線企業のネーミングライツをもろもろ募り順調に進めれば、2年もあれば完成だ。

高架駅は、
「費用がかかる」
のだと言う。とはいえ、試算結果は1億円・・・。なんと小さな案件か。1億で生まれる便益ならば、市民の血税も気にするなかれ。

一方、こちらの地図は、少々強引な敷き方だ。

物語では、国に潰させてもらえなかった航空会社が、JRに買収されて空陸一体になっている。買収されたから、僻地の空港に鉄道を引いてきて、利用促進を進める。
ただ現実は、力を付けた日の丸航空やLCCなどが地域のJRを買収するか、下水のない徳島に外資が参入してきてインフラを一体でやってしまうという空想のほうが本当くさい。
折しも、徳島でも(中国人による)マルチビザが発行されて観光客でいっぱいだ。搾取の需要に航空キャリアは飛び回る。彼らの住宅投資も街の景観を変えてしまった。それらがパッケージとなって、あれやこれやと整い始める。
そこには、荒廃の克服がもたらす新たな矛盾の芽が開く。

それはさておき、現実に目を落とせば、車社会はしごく危険で、このまま脆弱なインフラで20年30年と過ごしていけば、ゆくゆく、外出難民で徳島は廃墟に。

何がいいたいかというと、インフラを民営化するなということだ。
なにせ、いつまでもJR四国は、愛媛と香川のことしか考えていないし、需要とかけ離れた営業路線を貫き、ダイヤ改正によってどんどん不便になっていく。金がないから、懐かしむ暇のない車両を使い続け、メンテナンスが固定費となる。まさにこのラットレースは、レームダックの様相で、じり貧は起こるべくして、いまここに。
だから、赤字の理由に1000円高速だの燃料高騰は当たらないのだ。

にもかかわらず、
「高速化が必要だ」
というのがJR四国の脳みそだ。
高速化は、単線を複線にすることで完了する。なぜなら、2時間乗っても30分は調整だからだ。高速車両やフリーゲージ化も、山間だらけの四国には、しごく不向きな案である。
再生に成功した鉄道会社は、運行本数を増やして客を呼ぶ。琴電(琴平電鉄)ですら、終電時間を繰り下げた。

そういうこともせぬうちに、できない理由と算段だけがひた走る。施設鉄道条例にせよ、軌道条例にせよ、スカスカの四国においては、開発の妨げには、まずならない。
いっそのこと、鳴門の大塚製薬がCSRの一環で、鳴門線でも買収し、カロリーメイトそっくりの、妙な車両で宣伝だ!

車社会の車でしかどこにも行けない恥ずかしい島、四国。
金もないのに防災ばかり論じずに、未来のことも考えろ。

終わりに、
「shiasatte」番外編には、特別なにも起こらない。起こらないし核心もない。アンチ・ロマンではあるが、クロード・シモン的な意図もない。ないが、この妙なフィクションを通じて、その辺の世間に対して前向きなプレッシャーやストレスをかけ続ける、いわばソーシャル・キュア、そこから生まれる肯定的な変化の触媒を続けたい。

もうじき、後編が登場です。