ラブライブ!と伝統と地域のこと

 いまは故人であるが、お世話になった方が、徳島の「文化の森」というネーミングが気に入らないといつも言っていたのを覚えている。

 なぜなら、文化とは作るものではなく、振り返ってそうだと気づくものだからだ。
 かくいう伝統も、受け継いだものを意識したところに生まれるわけで、作っていくものでもない。

 さておき、今年の神田祭は「ラブライブ」とのコラボによって関係者も驚きの人出だったという。
 ラブライブとは、仮想アイドルのことで、オタクはおろか一般人や芸能人までもがドハマりするほどの人気ぶりでスマホゲームの登録者は1000万人を超えたという。
 実物のアイドルのように増えないし変わらないしスポ根で、日本人的には安心して見られる内容である。

 江戸は新しいものを取り入れ進化してきた街だから、そういうことは、ごくごく自然な現象だろう。
 神田明神の宮司も、「100年続けたら伝統だ」といいうようなことを言っていて、続くものならばラブライブも100年やってみろと思ったりもする。

 神社は神聖なところであるが、地域の人を繋ぐ中間共同体の場であり、人々を楽しませる観光地という側面もあるからだ。
 反面、そうやって楽しいからという理由で遠方から、わざわざ氏子でもない神社に参拝して地元の祭りには無関心だったりする若い人が増えていく現状は、地域を大切にするという意味では危なげな人寄せだと思う。

 同日に祭りがあるならば、地元を優先するのが、普通の感覚だからだ。

 アニメとのコラボでいうならば、徳島では春と秋にマチ★アソビなるイベントが開催されているが、秋に関して言えば、県内あちらこちらで秋祭りが行われている時期とぴたりと重なる。
 重なるから、地元のショボイ祭りはほっぽり出して、街ナカのアニメイベントに出かける若者が多くてひとつの弊害のようにすら思えてしまう。

 主催者は、「アニメとコラボしたから売れると思ったら大間違いだ」というようなことを企業に言い含めているらしいが、神事の客をさらって地元をおろそかにしてしまう集客は、田舎を盛り上げているのか破壊しているのか究極の選択であるように思う。

 願わくば、何の神事もイベントもない枯れた時期にこそ、集客の真価が問われるのではないか。

kanda_lovelive
 それにしても、音楽プレイヤーが気持ち悪い事態だ(^=^;