制度の矛盾、フェミニズムの暴走

2015年からはじまる子育て新制度案と、自治体の婚活指南、全国で広がる街ぐるみの合コン・・・。
いよいよ、この国も焼きが回ったのだろうかと、ちゃんちゃらおかしくて泣けてきた。至上主義的な少子化対策が目的だからだ。
笑えるのは、正す気もない矛盾を抱えつつ、少子化は「悪」という倫理的なフレームが起動していて、答えを出す気概も勇気も知的体力もないくせに、とりあえずの問題提起と議論の爪痕だけ残して、結果、虚しい花見酒となる。

その対策も、シルバー民主主義の中、若者ばかりに負担を押し付けたまま、財政民主主義が欠落していて、有識者といえども、独善的なシングルマザー揃い、理想論ばかりの空想だ。

結局、子作りに余裕のあるお歴々は、少子化というものを、大局的にしか見ておらず、数字ありきの対策だ。現場は、子どもの問題ではなく過程なのに、だ。
なにせ、不景気と草食というファッションモードによって、セックス難民は星の数ほどいるし、性難民調査でさえ、先進国ほど三十ないし四十代の人々が急増しているという報告。
金がないと機会もないということか。

そこへ、リチャード・ボズナーというひどい法律学者は、セックスの経済学について、

——性も市場を使い流し、流通させたら安くなる。

などと言っている。なんともシラフとは思えない発想であるが、冗談で仮にそうなったとすれば、性風俗が安くなる。

一理あるかもしれない。

江戸時代の性があっけらかんとしていて人口が増えていった経緯をみても、あっけらかんと性に接し、金のない若者は五百円程度で夜鷹(非公認の売春婦)と遊んだ。
これが、男の原動力であったかもしれないし、国力の源泉であったのかもしれない。

しかしながら、現代の草食は旗本の二代目で危機感がないし、女のほうも進化心理学のエラーマネジメントを振り回し、
「結婚に値する男がいない……」
などと、自分を棚に上げては理想に高ぶる。
それを見た男は、利己的で濡れ手で粟な女に、
「付き合うに値しない……」
という烙印を押し、結果、肉食が草食とうまくいくわけもなく、いずれ、破局となって回収される。
もはや、出会いの構造からして矛盾を抱える。

万が一、それを乗り越えたとしても、晩婚ではなく経済的な「非婚化」によって、子どもの数はますます増えない。
それは、有配偶出生率(結婚したら子どもを生む)を見ても明らかである。配偶者控除の廃止にも見られるように、結婚に対する特もない。

これまでの「結婚する」ということは、家事と仕事の分業、耐久財の共有、子どもがもてるというメリットがあり、厚生水準は、独身女よりも高かった。
しかし、神戸大学の宇南山准教授がいうには、家族を『個人』の集合ととらえ、家計内の支出における意思決定権、いわば、『コレクティブ・モデル』が曲者であると説く。
なにせ、夫婦間の所得差や年齢差に応じて、支出の意思決定権が決まり、所得は必ずしも平等ではなく、低所得な男と結婚してしまうと、必ずしも、『個人』の厚生基準を高めることにはならず、むしろ負担になり、独身を選びがちである。
(男の大半は製造業、女の大半は事務総合。残念ながら、デスクワークの方が割がいい)

これは、結婚してしまうと、女はパートくらいでしか仕事に復帰できず、厚生水準でいうと、賃金の問題であるようだ。筆者は、同一労働、同一賃金を好ましく思うが、年功序列のねたみ社会では、普及することは、まず、「ない」とみる。

ところが、政府と提言者のおバカさんは、子ども手当という「焼け石に水」を作り出すために、財政民主主義を無視し続け、若者の活力を削り続ける。
研究結果の常識では、就業継続の支援のために、保育所の整備が一番金を使わない解決策であることは誰しもが知る。

それでも、相変わらず、厚労省と文科省(そのうち、内閣府も加わる)は既得権を離さず、『待機児童ゼロ作戦』などと寝ぼけたことをやっていて、そろそろ官僚の詭弁を止めないと、日本は、老人の量産工場になるだろう。

また恐ろしいことに、待機児童を「数のあぶれ」でしか算出していないというマヌケっぷり。
実際、「非婚化」が進んで子どもがいないので、その数は過小評価され、本来は、二十歳から四十歳くらいまでの女性の人口と照らし合わせて見るべきが正しい。いわゆる『潜在的保育需要』がまったくもって抜けている。
生むかもしれないのに病院も保育施設もないとすれば、靴(適当な見積もり)に足(実態)をあわせているだけで、
「そりゃあ、子どもは増えないでしょう・・・」
いわば、国が子どもの上限を決めて対策を討っているようなもので、これでは、『子ども消滅政策』をとっていると言わざるをえない。

潜在的定員率は、都市部では圧倒的に多いようで、待機児童などとくだらないことをやるよりは、企業内保育所を含め、子どもを預ける場所を増やすだけで、万が一、出生率がいまのままでも、婚姻率が増え、人口は、それほど減らないという。
したがって、国は、保育所を増やし、エロの後押しをすることで、(いまよりも)子どもは増えると筆者は言いたい。

手始めに、独身手当を創設し、ホテルを1時間450円くらいで使えるように、次の国会で議論しろ。過激な下着もワンコインで買えるとなお良い。

7000億円もあれば十分ですよ、拝啓、厚労大臣・・・。