美意識との闘い、雨の日編

 6月から道路交通法が一部改正され、にわかに自転車への風当たりが強くなった、らしい。

 実感としては、激変緩和期間なのかよほどのことがないかぎり、いわゆる「違反行為」で警察署の前を通っても見逃してくれている気がするが、改正後の雨降りの日には、人のフシが垣間見えて面白かったりする。

 傾向として、女子学生に多く見られる。
 雨降りの中、合羽も傘もささずにずぶ濡れで自転車をこいでいる姿が「規制」と「美意識」との間で葛藤している普通の女の子のようで安心したりもする。
 傘はいけないが、合羽はどうもみすぼらしい。

 えてして、完全防備にて雨降を行くのは、純粋まっすぐで少しポイントのずれた人が経験則として多く、女の子の場合は、変わり者であることがしばしばである。

 ゆえに、普通の子は、レジスタンスとしてブラジャーが透けようが化粧が流れ落ちようが、美意識をとるわけで――、

 雨が降っても走らず傘もささず、角は直角に曲がる侍のようで、ルールを守るお利口さんよりも、守らない不良よりも、なんとかは濡れても高楊枝なさまに妙な好感をおぼえてしまう梅雨の日なのであった。